「レボリューションX・iPod革命」を観て感じたこと

どうも、Jack です。

昨日17:00から、ディスカバリーチャンネルで、「レボリューションX・iPod革命」を観ました。その感想を記したいと思います。

iPod に関しては、すでに様々な本がでています。なかでもその誕生について述べられているのは、「アップルコンフィデンシャル 2.5」や「iPodは何を変えたのか? 」でしょうか。今回のテレビ番組「レボリューションX・iPod革命」はそれらをダイジェスト的に映像化したものといえましょう。

番組中、有名人もいっぱい登場しました。スティーブン・レヴィは、Leopard のレビュービデオでも有名なので、ご存知の人も多いかと思います。「 iCon」の著者ジェフリー・S・ヤングなんかも出てきてびっくりしました。

このテレビ番組はいろいろなポイントがあったと思います。以下、ボクにとって大事だとおもったことを列挙していきたいと思います。

1) ジョブズが復帰してから、「エンジニアを連れてきて50の製品群を並べて、ゴミだ」と一蹴し、10にプロダクトラインに絞ったこと。

アップルの良さは、そのシンプルさ・わかりやすさです。それでいて隙がない。

アップルのテクノロジーの源泉は Mac OS だといって、iPod を軽く見るひとがたまにいますが、ボクはそれは間違いだと思っています。iPod こそスティーブが追求してきた理想の具現化にほかならないと。3クリックで聴きたい曲にたどりつけるのと、Leopard でタイムマシンでバックアップがとれるのと本質はいっしょです。

日本のパソコン業界は、NとかTとかFとか相変わらず売れているのですが、むちゃくちゃ型番がおおいです。正直、なにをえらんだらいいかよくわからないんですよ。ボクなんか結局値段でえらんじゃいました。でも、アップルははっきりしている。ノートか、デスクトップか。コンジューマー向けか、プロ向けか。これで4つに分かれる。たしかに間に何か欲しいというキモチもありますが、4つに分けるというのは潔いです。シンプルの極みです。

2) ナップスターで爆発したmp3をアップルは商機と見なしたこと。ソニーは商機と捉えることができなかったこと。

2001年までは、音楽を携帯するといったら、まちがいなくウォークマンでした。カセット、CD、そして MD にウォークマンの冠を課していた。それがもはや見る影もなくなって久しいです。

番組中、この写真が使われていました。
ando.jpg
「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」――ソニー・安藤社長

あまりにも、あまりにも有名なこの写真は、ソニーの実情をよく表しているといえましょう。この写真から3年たったいま、ソニー吉岡浩オーディオ事業本部長のインタビュー記事を読むと、安藤クローンがいまだにこの会社に健在であることを知るにつけ、かつてソニーファンだったボクの心は暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

ソニーの社外取締役である中谷某は、「ソニーが iPod に負けているのは、ソニーミュージックという音楽会社をグループ内に抱えていたからだ。ソニーはすぐに巻き返す」と 2004年頃、WBS で発言したのをボクは覚えています。いったいいつになったら巻き返すの? 学者の割に無責任な発言だと感じます。(こういう御用学者をチヤホヤする WBS も見識がない。アップルの特集を組む程度の価値しかない番組です。)

個人的には、ギョーカイの論理にソニーは捕われているのではないかというのがボクの意見です。ソニーは消費者にイイオーディオ・イイビジュアルを届けるのが使命だとおもっていたんだけど、mora や Sonic Stage みたいなドッグフードを食う消費者などいるわけないじゃんか。ソニーが先頭きって、コピーワンスやめましょう、 DRM やめましょう、っていわなきゃ。ソニー吉岡さんも、そういうベンチャースピリットもなくなって、骨の髄からサラリーマン根性が身に付いてしまったのでしょう。

この項目でボクは「Sony VS Apple」などという不毛な議論を蒸し返したくつもりはありません。なにが消費者にとって使いやすいか、という視点のみを取り上げたいとおもっています。

3) 上流行程の重要さ

ジョブズが サウンドジャム/iTunes の重要性を認識したことは強調されるべきです。iPod がまずありきではないんだよ。数あまたある mp3 プレイヤ と iPod の違いは、iTunes があるかどうかです。ウォークマンはじめ、いまだに iPod のモノマネみたいなのが出てきているわけだけど、そうじゃないんだ。まずナップスター以降のデジタル音楽をとりまく環境はいったいなんなんだ、という定義があってはじめて iTunes・iPod が存在する。人間が楽しく音楽を聴くには、何が必要なの?という根本的な問いをスティーブは本能的に追っていたとおもうんです。そこには、音楽レーベルが関係会社にあるとか介在しない。

ボクが、ウォークマンがいかに音質よくても使う気がしないのは、ソフトウェア (Sonic Stage) があり得ないほどひどい出来だから。もっとシステムエンジニアのいう上流行程を大切にしないといけない。ものづくりが大事、現場が大事と喧しく宣伝した「プロジェクトX」の罪がここにあるとおもうんですよ。やたら現場を強調する。でも、本当に大事なのはトップによる戦略です。トップダウンがあってはじめてイイモノが作れる。消費者の外囲をただしく認識しないメーカーにイイモノといわれても、消費者の関心からずれるのは当たり前だと感じています。

4) 消費者が欲しがるものを作らない

消費者に「何が欲しいんだ?」と聞いても答えがでるわけないというスティーブのことば。まったく当たり前ですよね。でも、ときどき、この単純な命題を仕事場で忘れてしまうボクがいます。仕事相手の欲求を満たすことが、仕事をすることにつながらないときってありますよね。。。ともあれ、アップルは、自分たちが欲しいものをつくって、それが消費者に受け入れられるストリームを生むのに成功していると思います。これはとてもうらやましいことだと強く感じました。。

一般の女性がスマートフォンを持つような時代には、コンジューマー向けのソフトウェア投資がますます重要になると思います。

***

2000年ごろ、さかんに「IT 革命」ということばがもてはやされました。コンピュータ関係の会社のみならず、土建屋までデータセンターをつくります、みたいなことをいって。でもITバブルがはじけてしまった。いま日本では「IT 革命」なんて死語ですよね。しかし、アメリカのIT企業(MS, Apple, Amazon, Yahoo, Oracle など)は必死に頑張ってる。いっぽうで、日本の消費者はオーディオ・ビジュアルが大好きだと思うんですが、いまだに日本発のブレイクスルーがない。アップル大好きなボクですが、日本の産業の状況をみると、これでいいのかとは思います。

さきの吉岡さん曰く

「「ウォークマン」というブランドには、まだ相当の価値があると考えています。一番イヤなのは、「MP3プレーヤー」と呼ばれることなんです。どこに行っても一般名詞になってしまっている。本当は、それが「ウォークマンですよ」といわれるようにすべきだったはず。MP3プレーヤーのコーナーに、一商品としてウォークマンが置かれているのを見ると、情けなくなります。それは、MP3プレーヤーが発展してきた時期に、ウォークマンのブランド力を生かすことができず、ビジネスができなかったから。」

井深さんがいまいたら、こういう社員こそ「エレベーターでクビにする」のではないかと思います。評論家然とせず、プロなら行動で示せといいたいです。

(辛口ゴメンナサイ)

23:56 | Mac
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